司馬遼太郎著「国盗り物語(一)斎藤道三 前編」読みました~知恵も武のうち~

主人公、松波庄九郎のちの斎藤道三の極道坊主ぶりが痛快です。

聖人君子でも品行方正でもなく「それって人としてどうよ」と言う生きざまにぐんぐん引き込まれて行きました。

敵も多いが強力な味方も多い、素敵な男です。

「ええこちゃん」では戦国の世では生き残って行けません。

槍の名手であった庄九郎、永楽銭を竹に吊るして穴に突き刺す稽古をします。

同じところを何回も正確に突き刺す、並大抵の修行ではなし遂げられません。

我々は同じところを套路(型)の中で突けているでしょうか。

何万回と練磨した先にその境地が見えるのではないかと思いました。

戦術も凄いです。

槍の使い手と三条河原で対する時も、相手をじらしてじらしてじらし抜きます。

そして夜を迎え相手を照らす炎を消す戦法を物見遊山の取り巻きにさせてしまうほどの策士。

知恵も武のうちです。

一歩一歩と美濃の国を盗る足固めをしていく庄九郎、「間」を大事にします。

種を巻いては待つ、焦らず相手の出方を待つ、「なるほど待ったのはこういう事に繋ぐためか」と唸らざるをえない場面が何度も出てきます。

名人同士の立合いは相手の手を読むことに知恵を巡らせ、待つ時間が長すぎて見るものを焦らすといいます。

間を大切にあせらずあわてず修行に励みたいものです。


【日中武道研究会東海支部とは】

名古屋市・四日市市にて、太極拳・螳螂拳・形意拳の中国武術にくわえ、合気道(四日市のみ)を指導しております。子供から年配の方まで、約50名の会員が真剣に、中国浙江省と台湾の老師から学んでいる武術を研鑽しています。くわしくはHPをご確認下さいませ。

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