「国盗り物語」第2巻読みました~共感は心の中で固い絆となる~

少年、織田信長が出て来ました。

美濃の蝮、道三に連敗中の父、信秀に、こわっぱながらもの申します「戦はやり方次第で勝てる」と。

信秀は「お前が言うな!」と心のなかで思ったでしょうね。

なのに笑い飛ばすところに器の大きさを感じました。

この子は変わっている、と思う子ほど大成するものです。

織田信秀は道三に戦でこてんぱんに負かされても落ち込みません。

残った家来に「よくやった!」と励まします。

これぞ誠の頭領の理想の姿。

上に立つ者の士気がなくなってしまっては、ついていく者は心が折れてしまいます。

その信秀を打ち負かす道三も決して相手を追い込みまずどこか逃げ道を作っています。

それは彼なりの「窮鼠猫を噛む」対策なのかもしれません。

もしくは敵意ひるがえって和睦という道を作るのが彼の美学だったのでしょう。

とにもかくにもカウンターパンチを食らわない堅実な戦い方ですね。

土岐頼芸を救い、土岐頼芸を美濃の守護にもちあげて最後は追放する道三。

怠惰で好色な頼芸を利用しつくした道三は「御屋形様はただの道具にすぎん」と言い放ちます。

しかし、鷹の絵を描かせたら天下無双の頼芸に対する敬慕の念もあったと思います。

芸術に対する二人の共感は心の中で固い絆となる…そんなことを感じた第2巻でした。


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